判例 婚姻費用算定に不貞行為による婚外子の養育費は認めない

 近年、日本では諸外国と同様に、婚外子にも嫡出子と同様の権利を与えるという傾向があるようだ。

 国際社会から長年にわたって批判を受けていた民法900条4号ただし書の「非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1」とされていた規定が、平成25年9月4日最高裁判所にて違憲と判断されたのは記憶に新しい。

 婚姻関係と婚外子に関する同様の事項で、婚姻関係は実質的に破綻しているものの、日本の制度上離婚は成立していない一方で、婚外子が誕生した場合の婚姻費用の取り扱いについて大きな問題になることがある。

 

 その点について、岐阜家裁中津川出張所平成27年(家)第76号では、

非嫡出子に対する扶養義務を果たすために相手方に対する婚姻費用の減額を認めることは、申立人の不貞行為を助長ないし追認するも同然であり、信義誠実の原則に照らし、認められない』とし、

 婚姻費用の算定にあたり婚外子の養育費を考慮しなかった。

 しかしながら、上記審判は即時抗告され、名古屋高裁平成27年(ラ)第442号(裁判長裁判官 揖斐潔 裁判官 池田信彦 裁判官 片山博仁)では、

 

『重婚的内縁関係から派生した婚外子の存在を考慮するのは信義則に反すると主張するが、婚外子は嫡出子と同様、抗告人から等しく扶養を受ける権利を有するから、上記主張は採用できない』

 

として、婚姻費用の算定にあたり、婚外子は嫡出子と同様に養育費を考慮された。

 

 また、大阪家裁平成26年(家)第1349号(裁判官 姥迫浩司)においては、過去の審判で婚姻費用の算定に考慮されなかった婚外子が、

婚外子の存在を無視したまま婚姻費用分担義務を定めるとすれば、申立人の信義則違反の責任を婚外子のみに負わせる結果となりかねず、婚外子の福祉の観点から相当ではない

と説示し、婚姻費用の算定にあたり婚外子の養育費が考慮された。

 

 一方で、最近の判例平成29年9月14日京都家裁平成29年(家)第1237号、第1238号(裁判官 松井千鶴子)では、

前件審判大阪高裁平成25年(ラ)第676号において、『原審相手方は不貞行為に及びその結果子が出生し、また将来第2子が出生するのであるが、上記経緯による原審相手方の現在の生活状況を考慮するのは相当ではない』とした判断を維持し、

 

申立人が不貞行為に及びその結果子が出生し、別居に至った経緯や申立人の収入を考慮すれば、婚外子第3子が出生したのは本件決定後の事情であったとしても、婚姻費用分担額を減額すべき程度の事情であるということはできない

 

として、岐阜家裁中津川出張所平成27年(家)第76号と同様に、婚姻費用の算定にあたり、3人の婚外子の養育費は一切考慮しなかった。

 

 その審判に対しても、即時抗告されているが、平成29年12月8日大阪高裁平成29年(ラ)第1204号(裁判長裁判官 河合裕行 裁判官 濱谷由紀 裁判官 丸山徹)においても、

 

原審申立人が不貞行為に及んだ結果、上記3名の婚外子が出生したことを含む原審申立人と原審相手方が別居に至った経緯や原審申立人の収入、本件における一切の事情を考慮して算定したものであるから、その判断にあたって上記3名の婚外子の生活費を具体的に考慮しなかったからといって、直ちに上記3名の子らの養育を受ける権利を侵害し、憲法14条1項に違反するとは言えない』

 

として、名古屋高裁平成27年(ラ)第442号と異なり、原審の判断を維持し、岐阜家裁中津川出張所平成27年(家)第76号と同様に、婚姻費用の算定にあたり、婚外子は不貞行為の結果生まれたことを考慮し、婚外子の養育費を具体的に一切考慮しなかった。

  上記裁判例では、さらに名古屋高裁平成27年(ラ)第442号に相反する判断があるとして許可抗告が提起された(大阪高裁(ラ許第405号)が抗告は許可されず、

また同時に、憲法第14条第1項違反として特別抗告を提起されているが、最高裁平成30年4月9日(平成30年(ク)第242号、第243号)「特別抗告の事由に該当しない」とし、棄却している。

 

 『憲法14条1項は、法の下の平等を定めており、この規定が、事項の性質に応じた合理的な根拠に基づくものでない限り、法的な差別的取扱いを禁止する趣旨のものである』

 

とは最高裁が度々説示しているが、

 近年になっても婚姻制度においての婚外子の取り扱いについては、依然として嫡出子と同様に扱うべきか否かが定まっておらず、複雑な問題がはらんでいるようだ。

大阪高等裁判所平成29年(ラ)第1204号 主張書面(2)

平成29年(ラ)第1204号婚姻費用分担(減額、増額)審判に対する抗告事件

  (原審・京都家庭裁判所平成29年(家)第1237号、同第1238号) 

 

抗告人兼相手方 A

相手方兼抗告人 B

主張書面(2

大阪高等裁判所 御中

             

(1)婚外子は嫡出子と等しく生活保持義務をうける権利を有する

 相手方兼抗告人(以下、「相手方」という)は、「『Cとの間に3人の子があり、いずれも認知していることから3人の子に対する扶養義務があることは否定できない』としており、扶養義務について婚外子について差別的取り扱いを認めているものではないことは明らか」と主張する。それは、すわなち相手方が婚外子は嫡出子と同様、抗告人兼相手方(以下「抗告人」という)から等しく扶養を受ける権利を有することを自認するにほかならない。

 ところが、原審判においての婚姻費用分担金の算定過程において、事実上抗告人世帯が単身であるとみなされるに等しく、すなわち婚外子は存在しないものと同然に取り扱われているのであり、そのような原審判は婚外子差別的取り扱いであるとしか言いようがない。

 よって、相手方も主張するように婚外子の差別的取り扱いは許されず、婚外子は嫡出子と同等の生活保持義務を受ける権利があるのだから、婚姻費用の算定において嫡出子と同様に婚外子も考慮するのが当然である。そこで、名古屋高裁平成28219日決定(平成27年(ラ)第442号)を援用し、本件において婚姻費用分担金を定めるにあたり、非嫡出子、嫡出子、相手方、抗告人の生活費を各々考慮し、標準的算定方式によって婚姻費用を算定するのが妥当である。

 

(2)抗告人の有責性を婚外子に帰する判断は違憲であり許されない

 相手方は民法760条「その他一切の事情」には別居の経緯・有責性の程度が含まれていると主張する。しかしながら、婚姻費用の分担において非嫡出子を考慮しないことは、「その他一切の事情」による不利益を何ら非のない非嫡出子に負わせることにほかならないのであり、そのような非嫡出子の差別的取り扱いは合理的根拠を有さず、憲法13条個人の尊重、憲法14条第1項、法の下の平等に反しており、不当である。

 また、相手方は、「御庁平成25年(ラ)第676号婚姻費用分担抗告決定(乙2号証)が、上記本件諸事情を考慮し「原審相手方は不貞行為におよびその結果子が生じ、また将来第2子が出生するというのであるが、上記経緯による原審相手方の現在の生活状況を考慮するのは相当ではない」(7頁)と判示したことに対する不満を蒸し返すにすぎず、婚姻費用減額請求の理由たり得ない」と主張する。

 しかしながら、抗告人抗告理由書(2)(平成29929日付)(8頁)でも述べたが、そもそも非嫡出子の差別的取り扱いにほかならない大阪高裁平成25年(ラ)第676号決定は、我が国の批准する民法の上位の国際条約や、憲法14条第1項に違反しており、憲法98条第1項の規定により上記決定は無効であって、民法760条を根拠として、違憲であるその判断を正当化すること、およびその判断を維持することはできない。よって、憲法13条、憲法14条第1項により、婚姻費用の算定にあたり嫡出子と同等に婚外子を考慮すべきであるのは当然である。

 

(3)婚姻費用の算定にあたり、予見されているが実現しなければ考慮されない事情

 相手方は、「婚外子2子出生は上記平成25年御庁決定において『当然予見し得た事情』として既に考慮されていたのであり、第2子の出生が『事情変更』たり得ないことは当然である」と主張する。

 しかし、抗告人抗告理由書にて述べたが、実務上、出生が当然に予見される胎児を考慮して婚姻費用を算定することはなく、出産後においてはじめて出生児は考慮されるものである。仮に、予見し得た事情が現実化したに過ぎない場合をすべて「事情の変更」とみなさいないのであれば、当然に予見されている子どもの成長による生活費の増額についても婚姻費用を変更する事情たり得ないはずである。しかし、原審判において嫡出子の成長による婚姻費用の増額が認められているように、実務上も当然に予見されている子どもの成長による婚姻費用の増額は、子どもの成長に伴い認められるのが一般的である。すなわち、未成熟子の成長と同様に、胎児の出生は、予見されている事象が現実化することによって婚姻費用分担の増減を認めるべき「事情の変更」となるものであるのは明らかである。よって、胎児であった第二子の出生は、その出生後に婚姻費用の変更を認めるべき「事情の変更」とされるべきものである。

 

(4)憲法98条第1項に基づき、違憲である判断を民法880条によって維持することはできない

 抗告人抗告理由書(平成29919日付)、抗告人抗告理由書(平成29929日付)、および抗告人主張書面(1)で述べたが、抗告人が扶養義務のある未成熟子の増加、相手方の収入の増加は、婚姻費用の減額が認められる事情の変更である。

 相手方は、非嫡出子の存在については民法880条のいうところの「既に以前の審判・決定において考慮された事情」、「民法760条の原則に基づいて別居の経緯を含む『一切の事情』が考慮されることは当然」であり、「原審判が『申立人が不貞行為に及びその結果子が出生に、別居に至った経緯や申立人の収入、さらに別所の稼働能力を考慮すれば、別所との間に第3子が出生したのは本件決定後の事情ではあったとしても、婚姻費用分担額を減額すべき程度の事情であるということはできない』と判示したことは、正当な判示であり、維持されるべきである」と主張する。

 しかしながら、上述したように、以前の審判・決定における非嫡出子の差別的取り扱いは、憲法13条、憲法14条第1項に違反した判断といわざるを得ず、その決定は憲法98条第1項により無効であって、民法880条がそれを維持する合理的根拠たり得ないのは当然である。

 更に、相手方は、原審判が「扶養義務について差別的取り扱いを認めているものではない」と主張する一方で、上記のように、婚外子が申立人の不貞行為の結果出生したが故、婚姻費用分担においては婚外子を嫡出子と同様に考慮することができないという差別的取り扱いにほかならない判断を「正当な判示であり、維持すべきである」と主張するのは、明らかに矛盾しており、理解不能である。

 

(5)抗告人の収入等の事情

 相手方は、「『申立人の収入』、『別所の稼働能力』を考慮すべきであり、これらを考慮した結果、抗告人婚外子3子の出生は、前の決定を維持することが相当でないと認められるほどに重要性を有する事情変更にあたらない」と主張する。

 しかしながら、抗告人の収入やその増加、非嫡出子の母の稼働能力と、婚姻費用の分担において非嫡出子を考慮しないという差別的取り扱いとの間に、合理性関連性は何ら認められるものではない。また、申立人の収入、Cの稼働能力については、標準的算定方式によって客観的に考慮できるものであり、そうすべきである。

 なお、別所真衣は、現在無職、無収入であり、0歳時、4歳時、6歳時の子どもを3人監護しており、到底職につける状況ではない。また、専門的な職業につくにあたっての国家資格、団体資格等を何ら有するものではない。このような事情においては、実務上も収入はないものとみなされるのが一般的であり、稼働能力はないものとすべきである。

 また、抗告人の収入が「年収において156万円以上の増加しており、月額にして13万円以上の増加である」、「年功序列による給与の上昇が期待できる」、「母親である別所」の「稼働能力を考慮」という相手方の主張と、婚姻費用算定において非嫡出子を考慮しないという差別的取り扱いとの間に、関連性合理性は何ら認められるものではなく、その主張は失当である。

 また、相手方は「そもそも子ども1人の養育に月額13万円以上必要なはずはなく」と主張するが、甲第55号証に示したように非嫡出子の生活費を考慮したうえで婚姻費用を試算した場合においても、子どもに按分される生活費は、嫡出子長男、二男年額129万円(月額108千円)、三男及び婚外子年額79万円(月額66千円)である。また相手方が再三主張するように「基礎収入算定において控除される職業費・特別費は世帯平均で算定されていることから」相手方の基礎収入の算定において、相手方と同居する嫡出子らを含む最低限の支出も考慮されており、上記相手方の主張を鑑みても、標準的算定方式に基づき抗告人が甲第55号証に示した婚姻費用の分担額が十分なものであることを、相手方が自認しているも同然である。

 

(6)名古屋高裁判例(平成27年(ラ)第442号)大阪家裁判例(平成26年(家)第1349号)は、婚外子基本的人権を保障した憲法を遵守する裁判である

 平成28219日名古屋高裁決定(平成27年(ラ)第442号)平成26718日大阪家裁審判(平成26年(家)第1349号)について、相手方は、「本件とは事案を異にしており、原審判の判示は上記決定や審判に反するものではない」「上記各事件においては、婚姻費用算定においてそもそも婚外子の存在が一度も考慮されたことがなく、且つ義務者の収入減少という事情の変更を扶養関係においてどのように負担すべきかが問われたこと、において本件と根本的に異なっている」と主張する。

 しかしながら、上記名古屋高裁決定において「相手方は、重婚的内縁関係から派生した婚外子の存在を考慮するのは、信義則に反すると主張するが、婚外子は、長男及び二男と同様、抗告人から等しく扶養を受ける権利を有するから、上記主張は採用できない」と判示され、また、上記大阪高裁審判では「今後も婚外子の存在を無視したまま婚姻費用の分担義務を定めるとすれば、申立人の信義則違反の責任を婚外子のみに負わせる結果ともなりかねず、婚外子の福祉の観点からは相当ではない」と判示されている。これらの判示は憲法に規定される基本的人権に基づくものである。すなわち、婚姻費用分担額の変更を認める根本的な事由は、憲法13条個人の尊重、憲法14法の下の平等に定められた基本的人権であり、婚姻費用の分担において嫡出子の生活費を考慮する一方非嫡出子の生活費を考慮しないという基本的人権を侵害する原審判が上記の判例に相反しているのは明白である。

 なお、上記大阪家裁審判例において、それ以前の審判において婚外子を認知したことを婚姻費用の減額に対する事情変更の理由として申し立てたが却下されており、相手方の「婚姻費用の算定においてそもそも婚外子の存在が一度も考慮されたことがない」という主張は誤りである。また、上記名古屋高裁決定例においても、「抗告人の収入に大きな変動があったとは認められないから、前件調停によって合意された婚姻費用額を減額すべき程度に、事業所得金額の変動が生じたとは言えない」とし、義務者の収入の減少を「事情の変更」とは認めておらず、相手方の「義務者の収入の減少という事情の変更を扶養関係においてどのように負担すべきかが問われた」という主張もまた誤りである。

 そもそも、憲法によって保障される基本的人権にかかる事由は、当事者の収入にかかる事由や民法880条に規定される「事情の変更」にかかる事由等と比較にならぬ程に重要であり、上記の各判例では基本的人権を保障する憲法を遵守すべく司法判断が下されたのは言うまでもない。

 

(7)相手方の収入

 抗告人抗告理由書(1)、(2)及び抗告人主張書面(1)において述べたが、相手方は平成29年初め頃より、社会福祉法人◯◯◯◯会の理事となり、同法人◯◯保育園の施設長になっている。平成28年度は◯◯◯◯会の保育士職員であり、現在の収入は本件審判時に提出されている平成28年の源泉徴収票の収入を大きくうわまわるのは明らかである。

 よって、相手方が平成28源泉徴収票によって提示した年収の根拠となる保育士という職業的立場が、社会福祉法人理事、保育園園長及び経営者に大きく変化してるのであるから、婚姻費用算定にあたりその稼働能力、収入の変化という『事情の変更』は当然に考慮されなければならない。抗告人主張書面(1)(2頁)にて主張したが、相手方の収入は私立保育園施設長の平均年収を基準とし、平成28年の相手方の保育士としての給与と保育士平均給与を鑑み、年収800万円と認めるべきである。

 

(8)超過教育費は各々の世帯で負担すべきである

 相手方は、「夫であり子らの父親である抗告人が未成熟子と配偶者に対して教育費を含む婚姻費用の負担義務を負うことは当然であって、その義務は第一義的なものであり、抗告人の主張は、婚姻費用の性質を理解せず且つ夫・父親として義務をおざなりにしようとする極めて利己的な主張である」と主張する。

 抗告人は別居後から現在に至るまで抗告人は相手方に対して、婚姻費用の負担義務を当然に遅延なく履行しており、その負担義務を否定しているわけでもない。しかし、婚外子に対しても嫡出子と同等の扶養義務があり、婚姻費用の分担にあたり、当然に考慮されるべき抗告人、相手方、嫡出子、非嫡出子の生活費に基づいて婚姻費用の分担を決定することを主張しているのである。そして、抗告人主張書面(1)(平成291023日付)(3頁〜10頁)でも述べたが、その前提に基づいた婚姻費用分担額は、抗告人の収入、社会的地位、学歴等を考慮しても教育費を含む十分なものであって、上記の相手方の主張は失当である。

 一方で、相手方は、別居後子どもの様子や進路進学について、抗告人に一切報告も相談もすることはなく、実家を中心とした生活の中で相手方のみの判断によって、子どもの進路等に関して決定しているのであり、抗告人はその中で生じる過大としか言いようのない超過教育費は相手方自身の責任で負担すべきであると主張しているのであり、そのような標準的な婚姻費用を超える過分な教育費までを抗告人に負担を求める相手方の主張こそが利己的なものであるといわざるを得ない。

 また、抗告人主張書面(1)でも述べたが、嫡出子、非嫡出子は同等の教育を受ける権利があるのだから、嫡出子の超過の教育費を負担することにより、非嫡出子の標準的な教育費すら削減されることは許されず、各々の世帯の子どもの福祉を損なわないために、標準的算定方式により公平に按分された生活費の中から、各々の世帯でそれら費用を捻出すべきである。

 

(9)嫡出子の超過教育費を考慮する必要性はない

 また、相手方は、「長男は中学3年生の時に同校への進学について抗告人に相談しており、抗告人もこれに特段反対せず」と主張する。しかしながら、抗告人は本件審判主張書面(2)(平成29618日付)等において再三、「申立人は長男をはじめ、二男、三男についても、学校行事、学校日常の様子はもとより、受験や進路進学についてすら、別居後6年間に渡って相手方より報告を受けることも相談を受けることもなかった。長男の高等学校進学については、入学が決定した後に本人の重い口からようやく聞き知ったところである」「申立人は学校のパンフレットを提示されたのは本調停で初めてであり、それにより寮費、学費等について知ったところである」などとし、抗告人が高等学校進学について事前に相談された事実はなかった。また、本件審判時の平成29825日付相手方主張書面(2)(10頁)にも「更に長男について具体的に相談できるような状態では到底なかった」と相手方も自認しており、その主張は誤りである。

 抗告人主張書面(1)(平成291023日付)で述べたが、長男の教育費のうち、寮管理費、食費、補食費については、教育費とは言いがたく、生活費に該当するものである。同校の学費及び寮費等は、相手方の主張によると平均106万円である(平成29519日付相手方主張書面(1) 10頁)。この費用については、甲第55号証に示したように非嫡出子を考慮し婚姻費用を算定した場合においても、長男に按分される年額129万円以内に十分におさまるのであり、長男がほぼ一年中の生活を高校、及び寮にて送ることを鑑みても超過の費用が発生しないのは明白である。

 なお、相手方は標準的算定方式にて按分される教育費について「公立中学校・公立高等学校の学校教育費を考慮しているが、私立学校の学費その他の教育費は考慮していない」と主張するが、標準的算定方式の根拠となる原論文『簡易迅速な養育費等の算定を目指して』(判例タイムズNo.1111 2003.4.1)(甲第37号証 290頁)においても義務者の収入が公立中学校、公立高等学校の子がいる世帯平均収入を上回る場合には、結果として公立中学・公立高校の学校教育費以上の額が考慮されていることとなる』とされ、また抗告人主張書面(1)でも述べたが、阪高裁平成26827日決定(平成26年(ラ)第595号)においても、標準的算定方式による婚姻費用分担金には世帯収入に応じた公立学校以上の教育費が含まれているとされているのであって、上記相手方の主張は誤りである。

 さらに、超過教育関係費についての按分について、相手方は「その負担は当然、基礎収入において按分されるべき」と主張する。原審判時抗告人主張書面(4)(平成29720日付 7頁〜8頁)でも述べたが、標準的算定方式の理論に基づくと、教育費、生活費は原則として弾力性のある可分所得の基礎収入から捻出するものである。特に本件のように世帯の収入が標準をはるかに上回り、教育費以外の生活費に相当に余裕がある場合、実生活においても生活費を削減して教育費を捻出するのが一般的であるのだから、そうするのが妥当である。更には、婚姻費用の分担は生活保持義務の考え方に拠っており、権利者、義務者に按分される基礎収入が等しくなければならず、超過教育費を不均衡に負担させるとその原則に反する結果となり相当ではない。よって、抗告人抗告理由書(1)、抗告人抗告理由書(2)抗告人主張書面(1)でも述べたが、阪高裁平成26826日決定(大阪高裁(ラ)第595号)では、「この超過額は、抗告人及び相手方がその生活費の中から捻出すべきものである。そして、標準的算定方式による婚姻費用分担額が支払われる場合には双方が生活費の原資となし得る金額が同額になることに照らして、上記超過額を抗告人と相手方が2分の1ずつ負担するのが相当である」と判示されており、超過教育費は等分処理するのが妥当である。

 また、相手方は、「2010年以降は公立学校の授業料が無償化され、大阪府京都府においても私立学校無償化が実施されており、現在においては、通常の婚姻費用には高校授業料等の負担さえ含まれてないというべきである」と主張する。しかし、標準的算定方式は公立学校が無償であることを前提をしていないのだから、外部環境に変更があっても、その算定方式による婚姻費用に世帯収入に応じた教育費が含まれていることに変化はないのは当然であって、上記主張は失当であるとしか言いようがない。仮に婚姻費用の算定にあたり、学校教育費を無償化を前提とするなら、未成熟子の生活費指数は当然に低下させるべきである。

 また、抗告人主張書面(1)(8頁〜9頁)にて主張したが、二男、三男の学校外活動費は、標準的算定方式によって按分される教育費で十分に賄われるものである。さらに上記の公立学校の授業料が無償化しているという相手方の主張によると、二男、三男については、学校教育費は無償であるから、標準的算定方式によって按分されている教育費のすべてを、学校外活動費に充当することが可能となる。抗告人主張書面(1)(5頁〜6頁)に示したが、具体的には、二男、三男にそれぞれ按分される教育費およそ676千円および284千円がすべて学校外活動費に充当されることになる。よって、標準的な学校外活動費を鑑みても、標準的算定方式によって二男、三男に按分される教育費は学校外活動費も含み十分であると言えるのであり、二男三男の超過教育費を考慮する必要はないのである。

 

(10)結語

 以上より、抗告人の年収1,734万円、相手方の年収800万円とし、平成292月以降は、抗告人世帯、0歳〜14歳の子3人、相手方世帯15歳〜19歳の子1人、0歳〜14歳の子2人を前提として、また、平成299月以降は、抗告人世帯、0歳〜14歳の子3人、相手方世帯15歳〜19歳の子2人、0歳〜14歳の子1人を前提として、標準的算定方式により婚姻費用分担金を算定すべきである。

 また、超過教育費については各々の世帯で負担すべきであり、抗告人が標準的算定方式にて按分される以上に教育費を負担するのは相当ではない。

 

 

大阪高裁平成29年(ラ)第1204号 主張書面(1)

平成29年(ラ)第1204号婚姻費用分担(減額、増額)審判に対する抗告事件

  (原審・京都家庭裁判所平成29年(家)第1237号、同第1238号) 

 

抗告人 A

相手方 B

主張書面(1

大阪高等裁判所 御中

                  

(1)相手方主張の誤り

 相手方は、本件非嫡出子の存在は既に「考慮され、その前提ないし基準とされた事情」ないし「予見し得た事情」であり、「事情の変更」はなく、非嫡出子の出生は「元の協議・調停・審判により定められた扶養関係をそのまま維持することが相当でないと認められる程度に重要性を有するものではない」と主張する。

 抗告人は、抗告理由書(1)の(2)〜(4)および抗告理由書(2)の(2)において、相手方の稼働能力の変更および、抗告人が扶養義務を有する未成熟子の増加は、婚姻費用の減額を認める程度に重要性を有する「事情の変更」であり、上記相手方の主張が誤りであることを主張した。

 また、相手方は、抗告人の収入の増加、高額所得、税金の控除、給与の年功等級等により、婚姻費用を減額する必要がない、具体的には当事者の基礎収入の按分において非嫡出子を考慮する必要がないと主張する。しかし、婚姻費用の分担は、民法730条、752条、760条、877条に基づき生活保持義務の考えによるものであるが、実務上は当事者の生活費とされる基礎収入を按分することである。すなわち、相手方主張は、婚姻費用の分担において非嫡出子を考慮する必要性はないということであり、つまりは非嫡出子が嫡出子と同等の生活保持義務を受ける権利を否定する差別的取り扱いにほかならないものである。しかし、その主張は、そのような差別的取り扱いをすることに対して、何ら合理性関連性を有する説明に全くなっておらず、憲法14条第1項違反および、民法の上位の我が国が批准している世界人権宣言第252項、児童の権利宣言第1条 等の条約違反、および憲法98条違反であって誤りである。

 

2)相手方の稼働能力

 相手方は、遅くとも平成29年初めには、実母が理事長、本人も理事である社会福祉法人◯◯◯◯会の◯◯保育園の園長となっている。相手方が保育園の施設長であることは、◯◯保育園のウェブサイトの理事名簿、母親が園長である社会福祉法人◯◯◯◯会◯◯◯保育園のウェブサイトの理事名簿および、平成29101日に開催された◯◯市の保育園就職フェアのウェブサイトより明らかである。

 よって、提出されている平成28年度源泉徴収票の収入よりも大幅な増加がある。厚生労働省による『平成29年度幼稚園・保育所等経営実態調査』によると、私立保育所施設長の平均月収は、545,229円であり、年収に換算するとおよそ650万円であるが、相手方はいわゆる同族経営社会福祉法人の経営者かつ施設長であり、平成28年度の収入からも相手方の保育士としての年収が保育士の平均年収より率にして25%以上も高いことより、相手方の保育園施設長としての年収は650万円の25%増しの800万円程度であると考えられ、婚姻費用の算定にあたり相手方の年収を800万円とするべきである。

 

3)Cの稼働能力

 原審判において、Cは看護師であると事実認定されているが、看護師ではない。また、相手方は「Cが医療関係従事者であるとこはおそらく間違いないところである」と主張するが、Cは知的障がい者施設にて、生活支援員として勤務経験はあるが、医療関係従事者としての勤務経験はなく、何らかの専門職に必要な公的資格、団体資格等も有するものではない。

 また、Cは現在、0歳の乳児、3歳と6歳の幼児を監護しており、到底職につける状態ではなく、無職、無収入であり、婚姻費用の算定にあたり、Cの稼働能力は考慮すべきでない。

 

4)超過教育費

相手方の主張の超過教育費の誤り

 相手方は、長男の全寮制の私立学校の費用を年間1606,780円と主張する。しかし、長男の私立高校の学費のうち、寮管理費、食費、小遣いは、教育費以外の生活費に該当するものである。また、別に主張する補食、飲料水などについても食費に該当するものであり教育関連費ではない。なお、「寮の井戸水が身体に合わず、アレルギーを発症する」と主張するが、医学的に水によるアレルギーは通常生じえず、相手方の独自の見解である。よって、長男の私立学校の教育費については授業料、修学旅行積立金の月額35,000円程度であり、それは長男に按分される標準的算定方式による教育費および生活費にて十分に賄われるものである。また、抗告人の関知しないところで進路を決定し、学校行事等の連絡等もないにも関わらず、長男のみならず相手方の交通費、宿泊費なども計上されており、過分であるとしか言いようがない。以上より、長男の教育費生活費は、非嫡出子の生活費を考慮した場合においても長男に按分される年額約129万円に十分におさまるのであり、そもそも長男の超過の教育費は発生しない。

 また、次男の塾代についても、相手方の判断で必要性が高いとは言いがたい遠方の塾への多大な交通費を含め、更には「これに加えて月4回◯◯教室で行われる本科コースの受講」といった実際には受講していない費用をまで算定しており不当である。更に三男の塾代等についても、突出して高額な月を含んだ3ヶ月分の費用をもってその4倍を年間費用としており、不合理である

 相手方の主張によると、中学3年生の二男の月額の塾等の費用が月額7万円程度、交通費を込めると年間約130万円、小学校6年生の三男の塾代等の費用が月額5万円程度、年間約62万円というのであるが、学力向上を考えても消化できないほど過剰である可能性が高く、子どもの教育費にそのような費用をかけるのは常軌を逸しているとしか言いようがない。

 さらに、相手方の主張する超過教育費を上乗せし婚姻費用を試算したところ、相手方世帯に按分される婚姻費用が年額799万円である一方、抗告人世帯に按分される婚姻費用は−41万円と負数にもいたるのであり、もはや標準算定方式による算定結果の原形をとどめておらず、その主張は不合理であるとしか言いようがいない。

 ところで、阪高裁平成26827日決定(平成26年(ラ)第595号)は私立学校の教育費を考慮して標準的算定方式による試算結果を修正した判例であるが、標準的算定方式による婚姻費用分担金には世帯収入に応じた公立学校以上の教育費が含まれているとされ、当事者の世帯収入1,411万円に対して、教育費相当額は545000円(333,855×1,411万円/8644,154円=545,000円)であると判示されている。よって、以下にも述べるが、相手方が婚姻費用の中に公立学校の教育費しか含まれておらず、15歳〜19歳の子であれば年額333,844円を控除するという主張も上記判例に相反し誤りである。

 また、相手方は超過教育費を当事者の基礎収入額に応じて按分することを主張しているが、上記判例では超過教育費は当事者で等分に負担するのが相当であると判示されており、その主張もまた上記判断に相反し誤りである。

 

本件においての標準的算定方式による教育費

 相手方は、超過教育費について、かかりうる費用をすべて教育関連費として計上し、婚姻費用の増額を主張するが、標準的算定方式の概念構造を破壊し、空文化させるものである。養育費、婚姻費用において、義務者の事前の了解など一定の条件のもと私立学校、塾代等の教育費を認めたとしても、統計等により標準的な教育費を参照し算定するのが妥当である。

 

 ア.相手方世帯の嫡出子の教育費

 そこで、上述の大阪高裁平成26827日決定(平成26年(ラ)第595号)を援用し、本件の婚姻費用のうち、相手方と同居する子どもに対する教育費を試算することとする。

 平成299月以降において、非嫡出子、嫡出子、及び抗告人、相手方の生活費を考慮した場合、標準的算定方式によって算出される基本的な婚姻費用は、月額約16万円である。そこで、権利者である相手方の年収は800万円であることより、標準的算定方式算定表(表18 婚姻費用・子3人表(第1子及び第21519歳、第3014歳))を参照すると、義務者の年収は、およそ950万円となる。よって、仮に、抗告人、相手方、嫡出子3人の5人世帯とした場合、世帯の年収はおよそ1,750万円となる。

 よって、平成299月以降、相手方と同居する長男、二男(一五歳から一九歳)に対する標準的算定方式にて按分される教育費は

であり、三男(〇歳から一四歳)に対する教育費は

 

となる。

 よって、相手方世帯に按分されている教育費は

 676,075×2283,523円=1635,673

である。

 ところで、標準的算定方式にては、平均私立高等学校教育費は763,096円であり、公立中学校教育費134217円、公立小学校59,153円(甲第37号証295頁)である。

  そこで、本件において相手方世帯(長男私立高等学校、二男公立中学校、三男公立小学校)の標準的な学校教育費を算定すると、

 763,096+134,217+59,153円=956,466

となる。

 よって、

 1635673円−956,466円=679,207

 相手方の世帯の教育費は、標準的な学校教育費よりおよそ68多く按分されていることとなる。

 

 イ.抗告人世帯の非嫡出子の教育費

 一方、婚姻費用のうち抗告人と同居する非嫡出子の教育費を計算すると、3人共0歳から14歳であり、嫡出子第三子と等しいので、一人あたり283,523円である。

 よって、教育費の合計は、

 283523×3=85569

 である。

 非嫡出子のうち第一子、第二子は、嫡出子と同様に私立幼稚園に通園しているが、標準的算定方式によると私立幼稚園の標準的な教育費は、32万3,622円であるため、非嫡出子の標準的な教育費の合計は

 32万3,622×2647,244

である。これは、抗告人世帯に按分されている教育費より約20万円多いことになる。

 しかしながら、実際に非嫡出子の教育費は、主張書面(2)4頁、甲第18号証甲第19号証に示したが、月額78万円に上っており、2人の教育費だけでも按分される教育費を超過している。

 以上より、抗告人と同居の非嫡出子の教育費は、標準的算定方式によって、同等に按分されたとしても、それに含まれる教育費を現実には超えている。しかしながら、それらの超過教育費は抗告人世帯のその他の生活費を削減し捻出すべきものであり、同様に相手方と同居する嫡出子の過分な教育費についても、相手方がその世帯の生活費から捻出するべきである。

 

統計資料に基づく学校外活動費

 ところで、塾等の学校外活動費についても、相手方主張のような非現実的で無尽蔵な費用の計上を避けるため、統計資料を参照するべきである。

 一般的に、子ども一人あたりの学校外活動費は、個人の裁量の余地が大きいものであるが、子ども一人あたりに費やすことのできる教育費は、世帯の年収より子ども一人あたりの世帯の年収に相関すると考えるのが妥当であろう。

 そこで、平成26年度文部科学省学習費調査を参照すると、子どものいる世帯の学校外教育費は、公立小学校に通う場合、平均219,304円であり、公立中学校の場合、平均314,455円である。また、平成28年度国民生活基礎調査より児童のいる世帯の平均児童数は1.69であり、児童のいる世帯の世帯所得は7078千円である。よって、平均世帯年収を世帯あたりの児童数で除し、児童一人あたりに換算すると約4188千円となる。

 一方、本件においては、世帯の総収入は、抗告人と相手方の年収を合算しおよそ2,500万円であるが、扶養義務のある子ども数は6人であるから、子ども一人あたりの世帯年収は約4166千円となる。

 よって、上記の考えに基づき、本件において統計資料を用いた場合の標準的な学校外活動費を試算すると

公立小学校の場合

 

であり、

公立中学校の場合

 

となる。

 相手方世帯の標準的な学校外活動費

 218千円+313千円=531千円

となる。

 よって、上述のように相手方世帯には学校教育費を超える費用が約68万円按分されていることになるが、その費用は標準的な学校外活動費よりも15万円程度多い。すなわち、この試算結果からも相手方の主張する学校外教育費が常軌を逸したものであることは明らかであって、本件においては相手方に按分される婚姻費用のうちの教育費は、収入に応じた標準的な学校外活動費さえも十分に含んでいるものと言えるのである。

 一方、私立幼稚園の学校外教育費の平均は141553円であるから、本件における私立幼稚園の学校外活動費は同様に、

である。

 抗告人世帯の標準的な学校外活動費は

 141千円×2282千円

となる。

 よって、上述したように抗告人世帯に按分される学校教育費を超える費用は約20万円であるから、その費用は標準的な学校外活動費よりも8万円程度少ないのである。

 ところで、統計調査からも子どものいる大抵の世帯において学校外活動は一般的なものであろうが、標準的算定方式においてはこれらの学校外活動費は考慮されておらず、かと言って婚姻費用の算定にあたり学校外教育費を特別経費として婚姻費用に上乗せすることが当然とされている訳でもない。すなわち、そもそも婚姻費用の算定において学校外活動費は考慮しないことを前提としており、その費用は各々の世帯で按分された生活費から捻出するのを原則とするものと思われる。

 

小括

 本件において、標準的算定方式によって算定される婚姻費用分担金は、抗告人と相手方の収入に応じた教育費を含み、抗告人、相手方の学歴、出身校、社会的地位等、および標準的な学校外活動費等を総合的に考慮しても十分なものである。

 また、嫡出子、非嫡出子は同等の教育を受ける権利があるのだから、過分に教育関係費を要したとしても、一方の世帯の子どもの福祉を損なわないために、標準的算定方式により公平に按分された生活費の中から、各々の世帯でそれら費用を捻出すべきである。

 よって、抗告人が相手方に対して標準的算定方式を超える教育費を負担するのは相当ではない。

 

裁判官は、法律よりも、面倒くさい弁護士の顔色をうかがうのか?

 憲法9条改正反対、労働者問題、女性問題、人権問題を中心として、弁護活動をしている、それなりに名の通った弁護士らしい。

 しかし、私には、彼女の言動は、スラップであり、復讐、仕返し、いじめのような印象を帯びており、その弁護活動が、心理学的に言うなれば、いわゆる『反動形成』的なものではないかと思われる。

 

その主張によれば

『(標準的算定方式を用いているため)申立人の基礎収入算定において、既に非嫡出子らを含む世帯としての最低限の支出は考慮されているのであって、既に婚姻費用を減額する必要性はなく、「事情の変更」はない。』

まさに、婚外子は必要最低限の生活ができればいいのであって、嫡出子のように、『生活保持義務』を満たすだけの養育費を与えられる必要性はないと、普段は子どもの人権擁護活動に熱心な弁護士が、あからさまな婚外子差別を主張しているのである。

 

 

裁判官も、弁護士の民法880条に基づく事情の変更がない』という論調にすっかりと巻き込まれ、主張書面に沿った形、あるいはコピペなのではないだろうかという印象すら与える審判書(京都家庭裁判所平成29年(家)第1237号、同第1238号 裁判官 松井千鶴子)を書いている。以下はほとんど、相手方主張の引用といってもいいものである。

 『申立人は,Bとの間に3人の子があり,いずれも認知していることから,3人の子に対する扶養義務があることは否定できない。しかし,申立人が不貞行為に及びその結果子が出生し別居に至った経緯や申立人の収入,さらにBの稼働能力を考慮すれば,Bとの間に第3子が出生したのは本件決定後の事情であったとしても,婚姻費用分担額を減額すべき程度の事情であるということはできない。

 

 そもそも、民法880条はそれほど重要な条文ではない。当然に、民法877条に基づく認知されている婚外子に対する扶養の義務が比較にならぬほど重要な条文である。

 

婚姻費用分担金の審判は、非訟手続であって、裁判所が、後見的立場から定めたものであって、相手方弁護士の主張するような弁論主義ではないにも関わらず、『蒸し返し』などの的外れとしか言いようのない主張を容認しているのである。

 

 本来、弁論主義ではない、非訟手続、後見的立場から裁判所が決定したものであり、責任は裁判所にあり、その判断に問題を含みうる場合、法令等に違反するおそれがある場合、過去の判例と相反する場合などは、当然に審判の変更が可能であり、後見人的立場である責任上、むしろ正しい審判に変更すべきものである。

 

 さらには、憲法第14条第1項に基づく婚外子と、嫡出子が差別的な取り扱いを受けることが違憲である可能性が高いのだから、裁判所が、合理的説明と言えるものは何ら説示することなく、あからさまな差別的取り扱いなどをするのは、子どもの人権、憲法を軽視しているとしか考えられない。

 

 婚外子が不貞行為の結果誕生したのが差別的取り扱いを受ける合理的説明』となど、裁判官が精神科的疾患等で判断能力に問題が生じていない限り、審判をしている裁判官自体、当然に合理的と思っているわけがないのである。

 

 相手方弁護士自体も、信義則違反、グリーンハンドの原則違反などといっており、本来、正しく法律が適応されるのであれば、婚外子も当然に嫡出子と同等に扶養を受ける権利がみとめられるべきであることを認めている。そして、婚外子に責任は存在せず、信義則違反等によって、不利な取り扱いをされてはならないのも言うまでもないことである。

 

 この弁護士は、

『抗告人が盛んに引用する平成28年2月19日名古屋高裁決定平成26年7月18日大阪家裁審判とは事案を異にしており、原審判の判事は上記決定や審判に反するものではない。・・・・・すなわち、上記各事件においては、婚姻費用の算定において、そもそも婚外子の存在が一度も考慮されたことがなく、且つ、義務者の収入減少という事情の変更を扶養関係においてどのように負担すべきか問われたこと、において本件と根本的に異なっている』 

 などと主張しているが、

 

 大阪家裁審判例において、それ以前の審判において婚外子を認知したことを婚姻費用の減額に対する事情変更の理由として申し立てたが却下されており、相手方の「婚姻費用の算定においてそもそも婚外子の存在が一度も考慮されたことがない」という主張は虚偽であろう。

 

 また、上記名古屋高裁決定例においても、「前件調停によって合意された婚姻費用額を減額すべき程度に、事業所得金額の変動が生じたとは言えない」とし、義務者の収入の減少を「事情の変更」とは認めておらず、相手方の「義務者の収入の減少という事情の変更を扶養関係においてどのように負担すべきかが問われた」という主張もまた虚偽であろう。

 

  誤ったものというより、状況的に虚偽の判例事実の主張であって、人権問題に熱心に取り組んでいるはずの弁護士は、裁判所を欺いてまで、婚外子の人権を蹂躙する主張をしているのである。

 

 以上のことは、当然に裁判所に主張(大阪高裁平成29年(ラ)第1204号 主張書面(2))しているが、結局は概ね論破されている相手方の主張に沿った、相手方弁護士に肩入れした

審判(京都家裁平成29年(家)第1237号、ど同第1238号 裁判官 松井千鶴子)

 

決定(大阪高裁平成29年(ラ)第1204号 裁判長裁判官 河合裕行 裁判官 濱谷由紀 裁判官 丸山徹)

になったのが現実である。

 

 

 結局、裁判官は法律的合理性、法理などより、自らの身に火の粉が出来るだけ降ってこないように、めんどくさそうな代理人弁護士の顔色をうかがって、審判をしているだけなのではないのか? 

 

 特に矜持をもって仕事に取り組んでいる判事より、問題を右から左に流すような処理をする裁判官はそういう傾向が強いのではないかと想像してみた。そういう人はどういう職種でも、どういう職場でも相当数はいるものであるのも現実だろう。

 

正義よりも狡猾に振る舞うのが、弁護士なのか? 懲戒処分に該当しまいか?

弁護士は法に則り、依頼者の権利の保護を求める存在であるのは確かであろうが、時に、少額であっても相手方を欺き、金銭の詐欺まがいなことをしても許されるのであろうか?

 

前件審判にて、予見されていなかった婚外子の誕生を理由として、婚姻費用の減額を申し立てたところ、不貞関係から派生した婚外子の生活費すら婚姻費用の算定に考慮すべきではなく、一方で、当然に予見されていた、嫡出子は成長による費用の増額について、および明確な根拠なく超過教育費月額5万円をみとめ、婚姻費用の増額を命じた判例について

京都家庭裁判所平成29年9月13日審判(家)第1237号、第1238号(裁判官 松井千鶴子)

大阪高等裁判所平成29年12月8日決定(ラ)第1204号(裁判長裁判官 河合裕行 裁判官 濱谷由紀 裁判官 丸山徹)

 

申立人は、婚姻費用の減額を平成29年2月に申し立てており、前回抗告決定での効果はその時点で遮断されている。しかしながら、平成29年2月以降も婚姻費用として、それまでと同額月額36万円の支払を継続して行っていた。

しかし、個人的には想像を絶したと以下言いようがない、京都家裁平成29年9月13日審判を経て、大阪高裁平成29年12月8日決定によって、婚姻費用月額38万5千円が確定したたため、12月末日より38万5千の支払いを行った。

その後、平成30年4月になり、最高裁判所への特別抗告が棄却されたところ、相手方弁護士は、2月〜12月までの婚姻費用月額2万5千円×11月分の支払の請求を内容証明郵便にて送付してきた。

訴求分の支払は、当然のことであるが、訴求分の支払い回数が12月分は既払いであるので一ヶ月多く請求してきていたため、それを弁護士に指摘した。また、その際に、遅延損害金についての請求されており、遡及分の遅延損害金の起算日は、さかのぼって、1月1日としている。しかし、支払が法的に遮断されてたいた期間の債務の不履行(遡及増額分)について期限の定めのない債務と言えるのであるから、民法412条3項により、遡及分の支払の請求した翌日を起算日として遅延損害金を請求するのが当然なのではないだろうか?

 

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さらに、一月分の婚姻費用の過大な遡及費用を修正し、再度、文書が送られてきたが、その文書によると、遅延損害金の起算日を、法的効果が遮断されており、金額が確定していない2月から11月までの支払日としており、さらに遅延損害金を意図的に増額した請求が送られてきた。

 

 

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女性問題、労働者問題を取り扱う弱者の権利を尊重するリベラル系の弁護士が、

婚外子の誕生、存在は、考慮すべきではない、婚外子の生活費は『最低限』は考慮されていると、声高に主張するのだ。もちろん、そこには嫡出子と平等でなければならないという概念はない。

自己の有利とするためなら、判例の事実内容さえも歪めた虚偽の主張を平気で行っていた。

 

結局は、法律に基づいた正義を求める高潔な人格などではなく、平和憲法、女性の権利、子どもの権利、労働問題、弱者救済など、自己陶酔している雰囲気を強く醸し出しているものの、その実は、結局は、相手方からの手段を選ばないカネの搾取、奪取を行動原理にした人格であるに過ぎないのではないか?

 

彼女の弁護士活動に、相手方に対しての『いじめ』、『仕返し』、『スラップ』という印象を受けるのは私だけだろうか?

 

憲法9条を守る、平和憲法を守る?自分の利益のためなら守らなくてもいいんでないのか? 子ども個人の人権だって、自分の利益のためなら、平気で蹂躙できるんでしょ?

 

 

 

『国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士の会』にも名をつられられているが、額は小さくとも、依頼者の相手方一般人を騙すような詐欺的行為を行う弁護士がそのような不正を暴くことに説得力はあるのだろうか?

 

 

弁護士の中には、『弱者の立場』を掲げるも、それは信念ではなく、強迫的に金銭にこだわり、プロのリベラル、職業広告に過ぎないのではないか?

 

商売リベラル人権派弁護士は親子関係における人間関係の維持、婚姻関係が破綻したとしても、その後の望ましい人間関係の維持に気を配ることはなく、場にそぐわないというべきだろうか、節操なく金銭搾取を追求することを、最善であると考えているようだ。

 

離婚など人事に関わる事件は、数字を追い求めることとは趣が全く異なり、人間の心情、長期に渡る親子家族関係が複雑に絡まり合うものであり、このような弁護士が事件処理に関与すると、的外れに数字に拘り、結局のところ子どもを含み多くの関係者に不幸をもたらすのだろう。

 

経歴からも本当は企業など法律業務に携わることを希望されていたのかもしれないが、その能力、家事問題に必要ではないであろう難関、貴重な資格を用いて、企業法務、M&Aなどに適性があり、家族関係を少なくとも一層に不幸にはしないし、幸福に貢献できるようには思う。

 

 信念の曲がったリベラルが、リベラルを困窮絶望させ、リベラルを殺すのだ。

法を捻じ曲げた裁判官が、法治主義に絶望を与え、法治主義を殺すのもしかり。

似非のリベラルはもうたくさん。

似非の法治国家ももうたくさん。
 

 

人生における避け得ない理不尽、人間裁判官がもたらす理不尽

 裁判官は、合理的根拠もなく、ごまかし、紛らわすことによって、構築された説示によって、判断を下すことはやめるべきだろう。裁判官がそんなことをするはずがないというより、そういう裁判官のほうが一般的なのではなかろうか?極めて多忙な業務であって、裁判を受ける側を十分に納得させることは不可能であろうし、そもそも、受け止める側のバックグランドは当然に多彩であって、理解力等の問題で、そもそも納得を得ることが不可能である事例が多数存在するであろうことも想像がつく。

 しかしながら、そのような状況を逆手に取って、現在では、平均的な国民が到底納得できないような判断を、理由にならないデタラメな言葉をつなぎあわせた文章を正当な理由であると断言することで正当であるとする裁判がまかり通っているのではなかろうか?

 神というべきか、運命によって与えられた死に至る病に突然に侵される理不尽と状況によっては同程度の否それを超えるほどの理不尽さを人間である裁判官が、法律が人生を壊す、人間を壊すのではなく、人間である裁判官が社会への不満や憎悪を増幅させたり、裁判官自体が自らの裁判の法律に基づいたものとはいえず、非合理性を潜在的に意識しており、その不正な裁判によって、他人やその人を取り巻く人生を破壊する原因の大きな一因となっていることは稀なことでもないだろう。

 

 裁判官はその人格によっては、極めて罪深い存在でもあろう。彼らは法律を逸脱した行為を裁く存在であると同時に、その裁きにおいて彼ら自身が法律を逸脱することも頻繁に起こっているだろう。

 その裁判に持たされれる理不尽さによる怒り、悲嘆、絶望は、裁判官が、理不尽にも命を奪いかねない病に侵されたときに初めて実感できるものなのではなかろうか?

 人生は理不尽さ不確実さに満ちている、裁判官の人生も、当然に彼らに都合よく一切の事情を考慮されるわけでもなく、突如訪れる理不尽さに破壊される可能性は、すべての国民と当然に等しく存在する。

婚姻費用算定表の合理性を実質的に否定した高等裁判所裁判例(大阪高裁平成29年(ラ)1204号)

養育費、婚姻費用の分担金については、『生活保持義務』の考えに基づき、概ね、東京大阪裁判官によるいわゆる標準的算定方式による試算結果に基づいて決定されている。分担金については、幅があるものの、2〜3万円程度のものであり、私立の医科大学への進学を同意していたなどという特殊事情を除けば、試算結果からあまりに逸脱した支払を命令することはあってはならない。

標準的算定方式においては、夫婦それぞれの収入、及び、民法877条に定められる『生活保持義務』を果たされるべき子どもを考慮し、算定される構造となっている。

 

 ところが、大阪高等裁判所平成29年12月8日決定(平成29年(ラ)第1204号)(裁判長裁判官 河合裕行 裁判官 濱谷由紀 裁判官 丸山徹)においては、権利者は嫡出子3人と同居している一方で、義務者には同居している認知された婚外子3人がいる事情であった。そして、嫡出子と婚外子民法877条に基づき等しく扶養を受ける権利があるのは自明である。

 にもかかわらず、同決定では、標準的算定方式において、嫡出子の生活費を考慮する一方で、全く合理的な説明になっていないことは明白であるが「不貞行為によって誕生した経緯を考慮し」婚外子の生活費を考慮しないまま、婚姻費用の分担額を決定している。また、そうすることに理由に義務者の収入を考慮してと説示しているが、そもそも、義務者の収入は、標準的算定方式の中で既に考慮されているものであり、それ以上に、収入によって扶養義務のある同居の子を考慮しなくてよいという合理性は当然のことながらない。

すなわち、上記大阪高裁の決定は標準的算定方式を外観上採用していても、合理的な根拠が一切なく、恣意的に考慮すべき子どもを考慮しない上で、適用されている。いいかえれば、標準的算定方式を使用しているが、義務者、権利者の年収を裁判官によって実際と異なる金額を用い、あるいは、扶養すべき子供の数も、裁判官の裁量で、増減させたものと言っても過言ではない。標準的算定方式による算定結果は、最高裁で合理的なものであるとされているが、このような、法的に扶養を受ける権利が明記されている権利者を合理的根拠なく考慮しないという恣意的な操作が加わったものが合理的なものであるとは当然にいえない。

さらに、大阪高裁決定では、義務者と同居している3人の婚外子を無視し、考慮しないで、標準的算定表を用いて定めた婚姻費用の額について、

「義務者と同居する婚外子3名の子の生活水準が嫡出子らの生活水準に比して著しく低下するとは考えられない」と判断している。

 この結果は、権利者が単身でも、婚外子3人と同居していても、按分される生活費の額は権利者が単身の場合の額と同じである。

 すなわち、言い換えると、大阪高裁平成29年(ラ)第1204号においては、『標準的算定方式においての分担金は、義務者単身である場合は、あきらかに過大であって妥当ではない』と判断しているも同然なのである。そして、このことは、最高裁判所平成18426日決定(平成18年(許)第5号)によって、標準的算定方式による婚姻費用の算定を、『合理的なものであって、是認することができる』とした最高裁判所の判断をも否定するものである。

 あるいは、京都家庭裁判所平成29年(家)第1237号、第1238号(裁判官 松井千鶴子)の審判書および、大阪高等裁判所平成29年(ラ)第1204号(裁判長裁判官 河合裕行 裁判官 濱谷由紀 裁判官 丸山徹)の抗告決定の文面から、如何ばかりか憶測されることであるが、

『不貞関係に由来して、誕生した、いわば劣等である婚外子であるのだから、正統な嫡出子と同程度に扱われ、生活水準を送るというのはおこがましいのである、卑しき婚外子なのだから権利は制限されて当たり前であり、それは忍従すべきなのである』

という、美しき国日本の価値観が潜在的に影響しているのかもしれない。

 なお、この算定結果について、最高裁によって合理的とされた判断と相反することを理由として許可抗告を申し立てたが、『該当しない』とし抗告が許可されなかった(大阪高裁平成29年(ラ許)第405号)(裁判長裁判官 河合裕行 裁判官 濱谷由紀 裁判官 丸山徹)。

中立公平であることを放棄する裁判所

民法877条により扶養義務をある婚外子が新たに生まれたことによって、婚姻費用減額を求めた審判例での全く相反する裁判例が2つある。

 

ひとつは、名古屋高等裁判所平成27年(ラ)第442号による決定。

その決定では、

婚外子は嫡出子と同等に扶養を受ける権利がある』と至極当然の説示をし、

標準的算定方式を婚姻費用の算定に合理的であるととした上で、婚外子、嫡出子を、等しく考慮し取り扱った上で、婚姻費用の分担額を定めた。

なお、原審判、岐阜家裁中津川出張所平成27年(家)第76号においては、『非嫡出子の養育費を考慮することは不貞行為を追認するに同然である』とし、婚外子の平等な権利、福祉を十分に考慮したとはいえない判示を行っている。これが、抗告審で取り消されたことは極めて当然で妥当であるように思われる。

 

一方、大阪高等裁判所平成29年(ラ)第1204号(裁判官 河合裕行 裁判官 濱谷由紀 裁判官 丸山徹)においては、原審、京都家庭裁判所平成29年第1237号、第1238号(裁判官 松井千鶴子)と同様に、

『不貞行為の及んだ結果、婚外子が生まれたことを含む一切の事情を考慮して、婚姻費用の算定において、3人の婚外子の生活費を考慮すべきではなく、婚外子の嫡出子と同等に養育を受ける権利を侵害し憲法14条1項違反とはいえない』と判示している。

 

結局のところ、名古屋高裁で判断をうけていたなら、婚姻費用の算定に当たり、婚外子の生活費は幸運にも考慮されおり、

阪高裁で判断をうけていたために、婚外子の生活費は不運にも考慮されず、その婚姻費用の金額の差は概ね倍である。

同じ日本の中で、裁判を受ける高等裁判所、裁判官が違うだけで、全く相反したとしか言いようのない判断をうけ、それによって実質的に大きな利益ないしは不利益が現実に生じている。

 

この現状は、公平中立である裁判制度が、運不運によって明らかに左右されていることを如実に示すものであろうし、合理性がなく、ありえないことであろうが、依怙贔屓にも見え、相手方のみが代理人を立てており、その弁護士に対する『忖度』『便宜を受けるなどの事情』が裁判所内で存在しているのではなかろうかという疑いすら、一般人には想像されなくもない。

レベルの低い話であるが、家裁、高裁が、誤った事実主張、合理性のない主張でも、代理人弁護士の意見をコピーアンドペーストの如く取り入れる傾向はあきらかに強いようには思われる。

 

さらには、あきらかに相反した裁判によって、実質的にも結果が大きく異なっているにもかかわらず、

許可抗告を申し立てるも、大阪高裁はこともあろうか『許可抗告の事由に該当しない』と決定している大阪高裁平成29年(許ラ)第405号)(裁判長裁判官 河合裕行 裁判官 濱谷由紀 裁判官 丸山徹)

この判断については、国民の立場が何らかの『悪意の存在』を疑ってもやむを得ないであろう。

 

また、最高裁においても、大阪高裁決定で「憲法第14条に違反しないという」判断を行っており、それについての異議を特別抗告に申し立てているにも関わらず、「憲法違反を主張するものではなく、特別抗告の事由に該当しない」として、特別抗告を棄却した(最高裁判所平成30年(ク)第242,第243)。

「婚姻費用の算定において、婚外子が嫡出子と同様に扱われていないという、差別的取り扱い」について、合理的思考のできる国民であればまず明らかに『憲法第14条第1項違反』であろうと考える事象を、取り上げず判断しないことで回避しているのだ。

 

裁判所は法に照らし、判例に照らし、厳正で中立公正であることを捨てて、なにを守ろうとしているのか?

平成25年前件審判にてそもそも民法877条に反し婚外子の扶養の義務を無視したまま婚姻費用を定めたのは、弁論主義によるものではなく、後見的立場である裁判所である。その民法877条に反する判断を維持するために、民法880条を理由にすると言うのは著しく不当であろう。明確に民法877条に定められた婚外子の当然嫡出子と等しい扶養受ける権利を、そもそも、合理的な理由なく過去に裁判所が民法877条に反した裁判を行っており、その判断を正当化するためだけに民法880条を理由にするのは到底正当、正義であるとは言えないだろう。

合理的な説明が十分にできないまま、明らかに法律に反し、更には整合性のとれない同類事件に対する裁判所の判断さえあっても、特殊事例とはいえ国民から理解を得られ難い裁判を裁判所が放置するのは、裁判所による法に則った国家秩序の破壊行為と言っても過言ではないのではなかろうか?